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1900年オペレッタのポスター

1920年イギリス製ポスター

1930年代お酒ポスター

1930年代オペラポスター

1930年代イギリス国営鉄道

ポスター

1940年代フランス製ポスター

1950年代アメリカ製ポスター

オフセット&リトグラフ

1960年代フランス製ポスター


1970年代フランス製ポスター

リトグラフ

1970年代アメリカ製ポスター

シルクスクリーン

1980年代フランス製ポスター

セカンドエデション

■ヴィンテージポスターってなにっ??


ヴィンテージポスターはオリジナルポスターとも言い、1800年代後半から1900年

代に主にリトグラフ(石版印刷)で作られた当時のポスターのことです。

日本では、ポスターと言えば、販促物や映画を想像されると思いますが、

50年以上前のものは、アンティークポスターとしてジャンルを確立しています。

とは言っても、当時も宣伝用の広告でしたので、現在と変わらない扱いをされてい

ました。パリの地下鉄や建物の壁面に貼られて、使い捨てだったと思います。ただ、

当時の印刷技法は石版印刷(stone lithography) しかなく、とても手間が掛かり、

優れたマエストロが一枚一枚刷っていたので一度に500枚くらいの製作が限界で

した。その卓越した技術は現在の機械を使っても再現できないようです。

今も何ら変わることなく残っている当時の色合いや風合い、当時流行のデザイン

様式、多岐にわたるジャンル、サイズの大きさなどが他の芸術と違う魅力だと

思います。

リトグラフの印刷技術が発明されて、1866年にジュール・シェレがパリに印刷工房を

作りポスター制作をし始めたのが、ポスターの最初です。

当時流行していたのが、アールヌーヴォー様式です。その代表的な作家が、

ジュール・シェレ(Jules Cheret 1836〜1932)、アルフォンス・ミュシャ(Alphonse

Mucha 1860〜1939)、スタンラン(Theophile Alexandre Steinlen 1859〜1923)、

ロートレック(Henri de Toulouse Lautrec 1864〜1901)、ボナール(Pierre Bonnard

1867〜1947)などです。

(これらのイメージはポスターの種類と変遷のコーナーでご覧ください)

このような有名作家のオリジナルポスターは、日本では、美術館でしか見ることが

できませんが、海外のディラーでは取り扱われていて、購入することも可能です。

中には、大きなサイズばかりでなく、同じ時期に作られた版画集のように製本された

小さなサイズのオリジナルも現存しています。

次に流行したのがアールデコ様式です。1920年代〜1930年代にかけて様々な

産業が一挙に増え、それに伴い、ポスターが広告として大量に作られました。

ヌーヴォーの自然や美を追求する様式に加え、伝えたい商品を前面に出した

グラフィックデザインの台頭です。お酒・たばこ・食品・お菓子・自動車・船・鉄道・

観光・演劇・自転車レースなどに分かれます。


1. 自分の好きなジャンルを見つける

  イメージ:車・鉄道・船・お酒・たばこ・演劇・ファンションなど

  表現方法:アールヌーヴォー・アールデコなど

  作家:カッサンドル・ポールコラン・ヴュウモなど

  国:フランス・イギリス・スペイン・メキシコなど

2. 本やカタログ、ネットなどで年代と作家の関係や、時代背景、売買価格

    などを調べてみる

3. オリジナルリトグラフをたくさん見る

  展覧会では、ガラス越しでしか見れないと思いますが、昔のリトグラフと現在の

  ものとの質感の違いを直接見比べてみると、はっきり違いが分かります。

  印刷されたものとは思えないほどリアルで、上から着色したと思えるほど色も

  鮮やかです。

  実際に見る機会があれば、その時は、イメージに直接触れてはいけません。

  海外では、お店の人が持って来てくれるシステムになっていて、自由には見れ

  ません。

  小さいサイズものもありますが、通常のサイズは、1600×1200mmになります。

  もっと大きいもので、3200×2400mmぐらいのものもあります。サイズが大きい

  ものは、2枚はぎや3枚はぎになっています。

4. 気に入ったポスターが見つかれば、作者・年代・コンデションなどを

  聞いてみる

  それらの条件をチェックすることは、大切なことですが、有名・無名にかかわら

  ず無数にあるポスターの中から、気に入るイメージを探すことです。

  状態が良い場合は、リネンバック(紙の保存・補強のため麻の繊維が入った

  厚紙で裏張りすること)がなくても大丈夫ですが、通常、破れ・折れシワ・擦れ

  などがあるので、どの程度のダメージなのかを詳しく聞いた方が良いでしょう。

  アメリカの場合は、ほとんどきれいに修復されて販売していますが、ヨーロッ

  パでは、四つに折って保存していることが多いです。でも、その分価格が低い

     です。ダメージがあるものでも、日本の表具屋さん(屏風や掛け軸を取り扱う

  お店)で、きれいに修復してもらえます。リネンバックだけなら、それほど費用も

  掛かりません。着色したり、シミを抜いたりしてもらうには、もう少し費用が掛か

  ります。

  

1950年代からオフセット機が開発され、それまでは、リトグラフのみだった印刷技術

も、幅が広がります。リトグラフは、色の数だけ版を作り、その数だけ印刷工程が

あるので、人手が掛かりましたが、オフセット印刷は、機械化されたシステムです。

リトグラフとオフセット印刷は、はっきりと違いが分かります。

リトグラフは、紙にペッタリとインクがのっていますが、オフセットは丸い小さな

ドットの集合体で色が出来ています。デジカメの画素と同じ仕組みです。

丸いドットが大きいと、ぼやけたイメージになり、密集していると色鮮やかです。

それは、肉眼でも明らかです。

最近の技術では、リトグラフとオフセットを合わせたり、オフセットのように機械化

されたリトグラフや、特殊なオフセット印刷と言うのもあり、ドットが全く分からない

ものもあって、印刷技術革新が進み、詳しくは分かりませんが、昔のリトグラフの

版は、本当の石を使っていました。

海外では、普通のlithographstone lithograph を分けて表示している

ところもあります。

ヴィンテージポスターの中でも、1940年代までのリトグラフ1950年代以降

リトグラフでは、インクののり方や、見え方が違います。やはり、1930年代の

リトグラフは、全盛期なので、芸術作品のように美しいのに比べ、後期のものは、

平面的な印象のものが多いです。

おそらく、大抵の人が、何で描かれているか分からないと思います。パステルや

絵具で描いたような色鮮やかさですから、とても古い粗悪な紙に印刷されている

とは思えません。最近の版画やリトグラフ作品をよく見ている人でも、古いポスター

の感触は、見たことがないと思います。

1950年代以降には、シルクスクリーンの技術も加わり、ポスターにもよく使わ

れていますが、これは、リトグラフよりももっとインクが肉厚にのっています。

また、色と色の境目に、版がずれて違う色が重なっていることがありますが、

その際もリトグラフの場合は、ランダムなのに比べ、シルクスクリーンは、画一的

です。シルクスクリーンは、肉厚にインクがのっているため、少しの紙の擦れや

水滴などで、表面にシミができることがあります。

海外では、リトグラフかオフセットかと言うのは、それ程重要視されていません。

オフセットのものでも、オリジナルポスターとして、珍しいものは高額で売買されて

います。限定エデションのものや、人気の高い作家のものなどは、リトグラフも

オフセットもそれ程価格に差がありません。

また、復刻版の定義も、オリジナルと同じ工房や、作家や財団などが指定した

工房で刷られたものは、第二版(セカンドエデション)と呼ばれ、ライセンス契約

などで作られたものは、通称レプリカ、海外では、Re prodaction(リプロダクション)

と呼ばれています。

ヴィンテージポスターの資料や文献はほとんど無いと思います。シャガールや

ピカソ、ミロなどのポスター資料は、きちんとリトグラフ刷りのカタログ(レゾネ)

として残っています。最近では、サビニャックやモルバン、ジャンコランなどの

ポスター集が、フランス Forney 社から出ていましたが、既に廃版になってしまい

ました。NYなどでは、ポスター集が出版されても、出版社がよく倒産するらしい

ので、古本屋でしか見つけられないと言うことです。

サントリーミュージアム天保山では、過去の展覧会図録が販売されています。

これらには、割合ポスターが載っています。

● 「1920's 」トゥエンティズ 20世紀の青春時代展図録
● 名作ポスターでたどる旅の100年展図録 行ってみたいなよその国

NYのポスターオークション会社が出しているカタログには、落札価格も載って

いて、その会社が手掛けた出版物や、各国から取り寄せた本も販売しています。

ただ、届くまでに約2ヶ月ほど掛かるようです。

International Poster Center オークションカタログ

ヴィンテージポスターがたくさん見られるところは、やはり海外のすぐに目に付く

お店に行くのが一番良いでしょう。ビルの中にあるところは、分かりづらい場所に

あります。ヴィンテージポスターは、ほとんどがヨーロッパで作られたものですが、

ヨーロッパより、アメリカのお店の方が大規模ですから、たくさん見られます。

ニューヨーク・シカゴ・ロスアンゼルスに多いです。パリでは、やはり蚤の市に

多くあります。

Chisholm Gallry ニューヨーク

Poster Plus シカゴ

国内では、やはりサントリーミュージアムの収蔵が一番多いと思います。

あと、川崎市市民ミュージアムたばこと塩の博物館もポスターの展覧会を

よくしています。ミュシャがたくさんあるのは、大阪堺市にある堺市文化館の一部、

アルフォンス・ミュシャ館です。お店では、東京代官山にある木屋ギャラリー

充実してます。

ヴィンテージポスターでは、ありませんが、富山県立美術館では、1985年から

三年に一度、世界ポスタートリエンナーレトヤマと言う展覧会が催され、世界中

から現代グラフィックデザインの作品が集まります。審査員も永井一正・福田繁雄・

松永真など、日本を代表する著名デザイナーたちです。会期中は、ポスターの街

とやまと銘打って、街中にポスターが貼られイベントが企画されます。

以前、NYのディラーから、ヴィンテージポスターは絵画と違い、買ったときの

半値になることは無いと聞かされたことがありますが、それは、あまり確実とは

言えません。まず、日本では、買い取ってくれるところが無いと思いますし、海外で

買い取ってもらうには、枚数が求められると思います。ネットオークションでも期待は

薄いでしょう。ただ、やはり、有名作家や人気の高いものなど、レアなポスターは、

高値が付くこともあります。

ポスターに限らず、アート全般に誰もが欲しいと思っているものは、ほとんど

コレクターや美術館が所有しています。たまに放出されたものがあっても、また、

コレクターによって購入され、市場に出回ることは少ないです。

ヴィンテージポスターは昔の広告ポスターですが、現在では復元できないほどの

質の良いリトグラフですし、世界中でそれほどたくさん残っているものではありま

せん。ですから、エデションの少ない版画作品に匹敵するものと思います。

日本の陶器や西洋のランプなどのアンティークは、なかなか入門しづらいと思いま

すが、ポスターなら、好みもハッキリ分かり選びやすいので、身近に感じられるもの

だと思います。でも、れっきとしたアンティークなので、知らない間に美的感覚も

養われます。そう言った意味でもとても価値があるものと思います。

(ポスターの拡大図は、各ポスターコーナーでご覧ください)



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